教員の副業に関心が高まっています。
経済的な理由や自己実現のため、副業を考える教員が増加しています。
しかし、教育者、公務員という立場上、副業がバレることへの不安も大きいのが現状です。
本記事では、教員の副業がバレるリスクや具体的な対策、法的な側面や実例を交えて詳しく解説します。
副業を検討している教員の方々に、実践的で有用な情報をお届けします。
〈プロフィール〉
・小学校教員、家庭教師、塾、学童など様々な学校現場を経験。
・現在はその経験を活かして教育記事を執筆中。
・ブログで月収70万以上を１年以上キープ。
現在は手堅く収入を得つつ、非常勤講師として子どもと関わっている。
教員の副業の法的位置づけ
教員の副業に関する法律
教員の副業に関する法律は、公立学校と私立学校で大きく異なります。
公立学校の教員は地方公務員法の適用を受け、原則として副業が禁止されています。
地方公務員法にはこのようにあります。
「第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業（以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。）を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則（人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則）で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ただし、非常勤職員（短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。）については、この限りでない。」
一方で教育公務員特例法の規定には
第十七条 教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者（地方教育行政の組織及び運営に関する法律第三十七条第一項に規定する県費負担教職員（以下「県費負担教職員」という。）については、市町村（特別区を含む。以下同じ。）の教育委員会）において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる。
とあり、任命権者の許可を得れば副業が可能となります。
一方、私立学校の教員は、学校法人との雇用契約に基づいて副業の可否が決まります。
多くの私立学校では、本業に支障がない範囲での副業を認めています。
副業許可申請の実態
公立学校の教員が副業の許可を申請する際、具体的にどのような手続きが必要なのでしょうか。
まず、所定の申請書に副業の内容や時間、場所などを詳細に記入します。
この申請書は学校長を通じて教育委員会に提出されます。
教育委員会は、本業への影響や公務員としての信用失墜行為に当たらないかを審査します。
許可基準は自治体によって異なりますが、一般的に教育関連の副業は比較的認められやすい傾向にあります。
教員の副業がバレるリスクとは
SNSでの情報拡散
SNSの普及により、個人の情報が瞬時に広まる時代になりました。
教員が副業をしている様子が、SNSで拡散されるリスクは非常に高いです。
実際に、YouTubeで活動していた教員が生徒に発見され、問題になったケースもあります。
特に、顔出しを伴う副業や、教育と関係のない内容の場合、批判の的になりやすいでしょう。
SNSの利用には細心の注意が必要です。
同僚や知人からの目撃
副業の内容によっては、同僚や知人に目撃されるリスクが高まります。
例えば、ある公立高校の教員が休日にコンビニでアルバイトをしていたところ、生徒の保護者に発見されたケースがありました。
この事例では、教育委員会からの厳重注意に加え、学校の評判にも影響を与えてしまいました。
また、オンラインでの副業でも、同じプラットフォームを利用している知人に発見されることがあります。
副業の場所や時間帯を慎重に選ぶ必要があります。
副業収入の申告漏れ
副業による収入は、適切に申告する必要があります。
申告漏れがあると、税務調査で発覚する可能性があり、重大な問題に発展する恐れがあります。
実際に、ある中学校教員が不動産収入を申告せず、脱税として処分を受けた事例があります。
この事例では、教員としての信用も大きく失墜してしまいました。
収入の管理と適切な申告は、副業を行う上で非常に重要です。
教員の副業がバレないための具体的対策
匿名性の高い副業を選ぶ
バレるリスクを最小限に抑えるには、匿名性の高い副業を選ぶことが重要です。
具体的には、オンラインでのライティング、データ入力、翻訳などが適しています。
例えば、クラウドソーシングサイトを利用して、教育関連の記事を執筆する副業が人気です。
この場合、ペンネームを使用することで、さらに身元を隠すことができます。
ただし、匿名であっても、教育者としての品位を保つ内容選びが重要です。
時間と場所の管理
副業を行う時間と場所の管理も重要です。
学校の勤務時間外で、かつ自宅など人目につきにくい場所で行うことが望ましいです。
例えば、オンライン英会話講師として活動する場合、早朝や深夜の時間帯を選ぶことで、バレるリスクを軽減できます。
また、副業の時間が本業に影響を与えないよう、スケジュール管理アプリを活用するのも効果的です。
健康管理も忘れずに、適度な休息を取ることが長期的な副業継続のコツです。
情報管理の徹底
副業に関する情報管理を徹底することが、バレるリスクを減らす鍵となります。
SNSでの発言には特に注意が必要です。
副業専用のSNSアカウントを作成し、プライベートアカウントとは完全に分けることをおすすめします。
また、副業用のメールアドレスや銀行口座を別に用意することも効果的です。
家族や信頼できる友人以外には、副業のことを話さないようにしましょう。
教員が副業を行う際の具体的注意点
法的規制の確認と遵守
教員が副業を行う際は、法的規制を確認し遵守することが不可欠です。
公立学校の教員の場合、地方公務員法第38条に基づき、任命権者の許可が必要です。
許可を得ずに副業を行うと、懲戒処分の対象となる可能性があります。
実際に、無許可で家庭教師をしていた教員が減給処分を受けた事例もあります。
私立学校の教員も、学校の就業規則を確認し、必要に応じて許可を得ることが重要です。
教育者としての品位維持
教員は、副業を行う際も教育者としての品位を保つ必要があります。
社会的に不適切とされる業種や、教育理念と相反する仕事は避けるべきです。
例えば、アルコールや賭博に関連する仕事、過度に商業的な仕事などは控えましょう。
ある高校教師が、アダルトサイトの記事執筆で副業していたことが発覚し、退職に追い込まれた事例もあります。
副業の内容が生徒や保護者の信頼を損なわないか、常に自問自答することが大切です。
本業への影響回避
副業を始める際は、本業である教職への影響を最小限に抑えることが重要です。
副業にかける時間や労力が、授業準備や生徒指導の質を低下させてはいけません。
例えば、副業で深夜まで働き、翌日の授業に支障をきたすようなことは避けるべきです。
定期的に自己評価を行い、必要に応じて副業の量や内容を調整することが大切です。
本業と副業のバランスを取ることで、両立を実現できます。
教員におすすめの副業と成功事例
ブログ
教育関連のブログ運営は、教員の知識と経験を活かせる有効な副業です。
授業のアイデアや学級経営のコツ、教育問題に関する考察など、幅広いテーマで記事を書くことができます。
アフィリエイト広告や企業とのタイアップ記事で収益を得ることが可能です。
ある小学校教員は、「楽しい授業づくり」をテーマにしたブログで月に15万円の収入を得ています。
この教員は匿名で活動し、本名や勤務校を明かさないことでリスクを回避しています。
不動産
不動産投資は、長期的な視点で副収入を得られる方法です。
教員の安定した本業を基盤に、賃貸物件を購入し家賃収入を得ることができます。
ただし、初期投資が大きいため、慎重な計画と資金管理が必要です。
ある高校教師は、ワンルームマンション2室を所有し、月に10万円の家賃収入を得ています。
この教師は、不動産管理会社に委託することで、本業への影響を最小限に抑えています。
株・FX
株式投資やFX（外国為替証拠金取引）も、教員が副業として選択できる選択肢の一つです。
ただし、高リスクな面もあるため、十分な知識と慎重な運用が必要です。
長期的な資産形成を目指す株式投資や、短期的な利益を狙うFXなど、自身の方針に合わせて選択できます。
ある中学校教員は、株式投資で年間50万円程度の利益を上げています。
この教員は、休日や夜間に取引を行い、本業への影響を避けつつ投資活動を続けています。
オンライン家庭教師
オンライン家庭教師は、教員の経験を活かせる理想的な副業の一つです。
ZoomやSkypeなどのビデオ通話ツールを使用し、自宅から指導することができます。
時間や場所の制約が少なく、バレるリスクも比較的低いのが特徴です。
ある中学校教員は、週2回のオンライン指導で月に5万円の副収入を得ています。
この教員は学校に許可を得た上で活動し、本業との両立にも成功しています。
教育コンテンツ制作
教育関連のコンテンツ制作も、教員の知識と経験を活かせる副業として人気です。
具体的には、教材開発、問題集の作成、教育アプリの監修などがあります。
これらは、匿名で行うことができ、バレるリスクが低いのが利点です。
ある高校教師は、教育系YouTubeチャンネルを運営し、月に10万円以上の収入を得ています。
この教師は顔出しを避け、音声のみの解説動画を投稿することでリスクを最小限に抑えています。
オンラインカウンセリング
カウンセラーの資格を持つ教員には、オンラインカウンセリングがおすすめです。
生徒や保護者向けのカウンセリングサービスを提供することで、副収入を得ることができます。
プライバシーに配慮しつつ、教育者としての経験を活かせる点が魅力です。
ある小学校教員は、月に10件程度のカウンセリングを行い、8万円ほどの副収入を得ています。
このケースでは、クライアントとの守秘義務契約を結び、情報漏洩のリスクを防いでいます。
副業がバレた場合の対処法
事実確認と報告
万が一、副業がバレてしまった場合、まず冷静に事実確認を行うことが重要です。
噂や憶測による誤解の可能性もあるため、状況を正確に把握する必要があります。
事実確認後は、速やかに学校長や教育委員会に報告することが求められます。
隠蔽を図ると、事態がさらに悪化する可能性があるので注意しましょう。
誠実な態度で説明し、理解を求めることが大切です。
法的対応と弁護士相談
副業がバレたことで、懲戒処分や解雇などの可能性がある場合、法的な対応が必要になることもあります。
このような状況では、早急に弁護士に相談することをおすすめします。
労働問題に詳しい弁護士であれば、適切なアドバイスを得られるでしょう。
実際に、無許可で副業を行っていた教員が、弁護士の助言により減給処分で済んだケースもあります。
法的知識を持つことで、自身の権利を守ることができます。
再発防止と信頼回復
副業がバレた後は、再発防止と信頼回復に努めることが重要です。
まず、なぜ副業がバレたのか、その原因を分析し、対策を講じる必要があります。
例えば、SNSの使い方を見直したり、副業の内容や時間帯を変更したりすることが考えられます。
また、学校や生徒、保護者との信頼関係を回復するための努力も必要です。
誠実な態度で職務に励み、教育者としての責任を果たすことが大切です。
まとめ
教員の副業は、慎重に行う必要があります。
バレるリスクを認識し、適切な対策を講じることが重要です。
匿名性の高い副業を選び、時間と場所の管理を徹底しましょう。
また、法的規制や教育者としての品位維持にも十分注意が必要です。
本業への影響を最小限に抑えながら、副業を行うことが成功の鍵となります。
ブログや教育コンテンツ制作など、教員の経験を活かせる副業を選ぶことをおすすめします。
万が一バレた場合でも、誠実な対応と再発防止策で信頼回復に努めましょう。
教員としての責任を果たしながら、副業で自己実現や経済的安定を図ることは十分に可能です。
慎重かつ計画的に、そして法令を遵守しながら副業に取り組むことで、充実したキャリアを築くことができるでしょう。
